2025/07/07 14:07

この冬こそ雪崩ビーコンを買おう。そう考えていらっしゃるなら、BCAの「TRACKER 3」をオススメします。理由は、TRACKER 3TRACKER 3が現状の雪崩事故を見据えたものになっており、比較的操作が簡単だからです。

誤解しないでいただきたいのですが、簡単に扱える=訓練が不要、ではありません。雪崩ビーコンは命に繋がる機器ですから、その扱い方に通じていることは大前提です。

注目したいのは、現状の、現実の事故にフォーカスしている点です。例えば雪崩埋没事故のデータを見てみると、そのほとんどは埋没者が一人です。いくつかの雪崩ビーコンは、複数の埋没者に的確に対応する優れた機能を備えています。が、高い機能を使いこなすためには複雑な操作や概念の理解など、覚えるべき手順が増えていきます。それは、相当の訓練が必要であることを示します。

雪崩事故にはいつ遭遇するかわかりません。そして多くの場合、我々は訓練が十分ではないのです。そうした時に必要なのは、僅かな経験と知識をフルに活かしながら埋没者を探し出して医療機関に手渡すことです。

TRACKER 3は複数埋没にも対応していますが、埋没者一名、という状況がとても得意です。電波の掴みの早さは秀逸で、たとえ捜索の途中で電波をロストしても短い時間で再びキャッチしてくれます。この、電波をロストするというパニック寸前の時間を可能な限り短くしてくれる。これこそTRACKER 3最大の長所です。

その他にコンパクトなボディや間違えようのないスイッチ類、そして何よりも視認性の高い大型のディスプレイで、確実に埋没者までの距離と方向を示すことができます。つまり、もっとも遭遇しやすい状況に則した、とてもビギナーフレンドリーなビーコンなのです。

こうしたデバイスは、どうしても用心してより重大な状況を考え、オーバースペックなものに走ってしまいがちです。トリアージをしながら複数埋没者を捜索する必要がある人もいるでしょう。が、その場合にはもっと適したデバイスがあります。クルマで言うなら、TRACKER 3はシビックの4駆です。実用上十分な性能を持っていて、現実的な生活圏と行動スタイルを考えた時、まったく不満となる要素がなく、この先も長く愛用可能である、という意味で。

将来、もっと多機能のものが必要になるんだから最初から多機能なものを、という意見もあります。が、Transitでは「いつ」と明確にできない将来よりも、今の自分に見合った実用性と安心感にこそフォーカスするべきだと思っています。それにTRACKER 3は複数埋没に対応して、自動復帰モードまで備えています。機能的にはすでに十分であると言っていいでしょう。

TRACKER 3は最初の一台として、すべてがちょうどいいところに落ち着いています。そして、とても使いやすく仕上がっています。手に入れたら、ぜひともTransitのビーコン練習会に参加してくださいね。