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2025/05/26 14:23

みんな大好き、鋳鉄製のどっしりしたスキレットがやってきました。ロッジ(LODGE)の8インチと9インチが入荷です。

アメリカではロッジの調理器具をさしてこう言います。
「人が料理するのではない。鉄が美味しくしてくれるのだ」

ロッジの鋳鉄製品は溶けた鉄を砂型に流し込んで作りますが、その時、鉄の中には細かな気泡が生じます。この気泡が蓄熱効果を高め、熱の伝わり方をゆっくりにしてくれます。さらにじゅうぶんな厚みをもたせることで、素材への熱の入り方も均一になります。こうした特性が料理を美味しく仕上げてくれるというわけです。

ロッジが創業したのは1896年。製鉄を基幹産業とするテネシー州のサウスピッツバーグでうまれました。以来120年もの間、製法はまったく変わっていません。良い鉄が手に入る、鉄のことをよく知った人たちの街で、鉄の特性をいかした調理器具を作り続けている。それこそ、ロッジが多くの人に愛される最大の理由です。

こうした鋳鉄製品には蓋が書かせません。ロッジでは「カバー」と呼んでいますが、しっかりした蓋はそれ自身の重みで気密を保ちます。同時に素材から立ちのぼった湯気は水滴になり、そのまま蓋の内側を伝わってスキレットとカバーとのスキマを塞ぎます。このウォーターシールがさらに気密性を確かなものにして、熱と香りをスキレット内に閉じ込めます。

またカバーの裏には多くの突起が設けられていますが、これは蓋の内側の水滴を素材に戻してやるためのものです。カバーの裏から香りをたっぷり含んだ水滴がシャワーのように降り注ぐことで、特に焼き物はみずみずしくジューシーな仕上がりが期待できます。

こうしたロッジの製品には、鋳鉄製料理器具に欠かせないシーズニングが要りません。どうせ必要なことだから、出荷段階でシーズニングも済ませてしまおう。そう考えるロッジの製品は、買ってきたその日から使える手軽さも備えています。

親から子へ、子から孫へと数十年もかけて大事に使い込んだ鋳鉄製のナベは、油と酸化皮膜で黒光りして「ブラックポット」と呼ばれます。アメリカの人たちは、ブラックポットはそうした長い時間だけが育て上げることを知っています。だからこそ、ブラックポットには特別の尊敬の念を持ち、家宝として接するのだそうです。ロッジを手に入れるということは家族の歴史を刻み、人の暮らしを染み込ませた家宝を育てる、長い長い旅を歩み始めることと同じなのです。

鋳鉄製ですからガスはもちろん、IHにも対応しています。8インチは直径20.3cm、9インチは直径22.9cm。たった2.5cmの違いですが、手に持った時の重さ感や使い勝手はまったく違います。ぜひとも店頭で、その重厚なつくりにうっとりしつつ、伝統の重みを楽しんでください。