Transit 東川 は、現在準備中です。

2025/05/26 14:07

Trangiaが生まれたのは1925年のスウェーデン。ぼちぼち100年を迎えようという歴史あるブランドです。

そもそも創設者のヨン・E・ヨンソンさん家庭用のお鍋を作っていました。が、当時のスウェーデンに一大アウトドアブームが巻き起こります。そこでヨンソンさんは「野外でも使える調理具があったら便利なんじゃない?」と思い立ちました。

ヨンソンさんが素晴らしかったのは、野外用コンロがとるべき対策を一発で見抜いたことです。それは風。高緯度のスウェーデンは森林限界が低く、アウトドアは森の中というよりも低木や岩地がつづく丘で楽しむものでした。そんな吹きさらしの場所での調理は、何よりも風対策が欠かせないと考えたのです。

やがてヨンソンさんは持ち前のお鍋製造技術をいかし、息子さんたちの手助けを得て機能的な風防を備えたクッカーセットを考案します。しかもお鍋はスタッキングできて、コンロの台も風防も全部まとめて重ねることができるというアイデアっぷりです。
こうして嵐の中でも煮炊きができるほど風に強い野外調理キット「ストームクッカー」が生まれました。それはすなわちどんな状況でも食事を作ることができるタフなアウトドアキッチンであるとして、世界中のバックパッカーや自転車旅行者たちから高い評価を得ることになるのです。

ストームクッカーの利点は数え切れません。特徴的な風防は風を遮るだけでなく、ストーブの熱を効率よくクッカーに伝えます。それによって火力の弱いアルコールストーブでも不満なく調理をすることができます。そして燃料となるアルコールは、世界中どこに行っても手に入れることができるうえ、燃料の運搬も簡単です。加えて構成部品がアルミ製なので軽く、収納性が高く、多少曲がろうが歪もうが修正も可能。まさに旅にはピッタリのシステマチックなバックパッキングキッチンとして高評を得た、というわけです。
ストームクッカーにはスタンダードサイズの「L」と、一回り小さい「S」があります。今回入荷したのは「S」のほう。1〜2人のバックパッキングならこれで十分ではないかと思います。もちろん焦げ付きにくいハードアノダイズド仕様を選びました。フライパンはノンスティック加工済みで、いっそう焦げ付きにくくなっています。

この焦げ付きにくい、というのは非常に重要な機能です。掃除がしやすい=水や時間を節約できる、なので、片付けはさっさとすませて極楽ティータイムになだれ込むことができるからです。アルコールストーブは燃焼音がほぼしないことも魅力の一つ。静かな静かな時間を、のんびりと楽しむことができますよ。
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■Trangia ストームクッカーS・ULハードアノダイズド/重量:740g 収納サイズ:直径18cm×高さ10cm クッカー構成:ノンスティック加工済フライパン(18㎝)、ハードアノダイズド加工済アルミ製ソースパン(1.0ℓ)×2)、ハードアノダイズド加工済アルミ製風防・ベース、アルコールストーブ、ベルト付属